「漫画貧乏」を読んだ。
面白かった。
「ブラックジャックによろしく」の佐藤秀峰が何を思い何をやってきたのかを綴った本で、著者の漫画への情熱が暑苦しいくらい詰まった本だった。
前半は著者の漫画家としての半生を綴った本で、大企業出版社に就職したエリートサラリーマンだけど無能な編集者との不毛なやりとり、業界の慣習、お金の話など詳しい話が書いてあって、この業界は「まんが道」の時代から1ミリも進歩してないんだなぁ、、、と思いました。
そして後半が、漫画のネット販売に著者自ら踏み込む話で、システム開発業者とのやりとりや、掲載してくれる漫画家の募集、サイトの運営、宣伝など、これ漫画家がひとりでやるにはちょっと厳しいなぁと思った。こういう商売を手伝えるベンチャーとかいそうだけど、出版業界が許さないんだろうなぁ。。。
ただ、もともとPCやガラケーとネット漫画はUIや著作権管理、課金という問題から相性が悪かったので、こうなるよなぁ、、、というサイト運営苦労話になるのだが、ここ数年、特にこの1年でスマホとKindleの普及でネット漫画の状況がガラっと変わったので、また新たな展開がある気がする。
ぶっちゃけ、佐藤秀峰は自分のwebでは宣伝に徹して、kindleとKOBOに漫画を卸すというやり方が、2014年の今時点では最もコスト・労力的に良いのではないだろうかと思った。あとはあのDeNAの変な漫画アプリとかにでも卸すだけにして、自身は漫画製作に集中する、みたいな。
クリエイティブとプロデュース、宣伝、経理、経営を全部やるとたぶん破綻する。エグザイルの社長みたいなスーパーマンでも大変なんだから。と思った。
パソコンで漫画を読みたい人の絶対数は少ないけど、スマホやタブレットで読みたい人は山ほどいると思うので、そこのエリアは紙を優先する既存の出版社は絶対成功しないので、そこはうまくできると電子漫画が盛り上がる気がする。
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