オリエンタルランドの元社長がOLC立ち上げからディズニーシー開園までを綴った回顧録「海を超える想像力―東京ディズニーリゾート誕生の物語」を読んだ。
すごく面白かった。
OLC社の歴史を立ち上げ時から関わった著者が裏側から綴った良書。
特に東京ディズニーシーのコンセプト作りの場面で、ディズニー本社と議論して進めて行く様子は凄まじかった。
ディズニー本社がかなり力をいれて提案してきた、ハリウッドスタジオコンセプトを日本人に合わないと覆すところや、すぐに新しい「7つの海の世界」というコンセプトを提案してくるディズニー本社のクリエイティブ力はさすが。
タイトルの「海を超える想像力」というのがちょっと地味なので、サブタイトル的に「東京ディズニーシー開発プロジェクトの舞台裏」とかコピーをつければ、プロジェクトマネジメント本好きのビジネスマンに引っかかる気がする。
PM本やコンサル本で1番つまんないのは、筆者の体験が出てこない、出てきても「A社」みたいな感じでボカして書いててつまんないことがほとんどなのだが、そういった薄っぺらい業務改革本に比べると、筆者の思いや物語が詰まっていて面白い。
部外者が書いた「ディズニーの接客術」みたいな本とは一線を画す本だった。
そして、今年、加賀美さんはOLC会長として、TDL30周年のハピネスイヤーイベントの舞台に立ったかと思うと、その思いの深さが垣間見える。
☆☆☆☆☆