「闇の子供たち」

タイを舞台に児童売春と臓器売買をテーマにした社会派フィクション映画、「闇の子供たち」を見てきました。

きつい映画でした。以前、「子どものねだん―バンコク児童売春地獄の四年間」という本を読んだことがあったため、おおよそ想像はついていたのですが、フィクションとは言え、絵にするとやっぱ"キツさ"が全然違いました。演出や役者の演技も含めた"絵"は良く作られていると思いました。

ただ、映画作品として見た場合、脚本が弱いのが残念でした。社会的事実(フィクションだけど)を全面に出すだけで終わってしまい映画としてイマイチな作品になっているというか、ストーリーだけ見るとさほどきちんと作られた脚本とは言い難いと思いました。特に人物造形がすっごい安いのだ。妻夫木や宮崎あおいはキャラが安いし、江口洋介のキャラは唐突すぎる。せっかくいい役者といい絵で構成されてるのにホンが練り込まれていないのですごいもったいないなーと思いました。

この映画に面白いかどうかって言う判断をするのはもしかしたら的外れなのかもしれないけど、フィクションということなので敢えて言うと、ストーリーはいまいちだと思いました。ただおそらく「子どもを殺してその臓器を移植する」という箇所以外はほぼノンフィクションといってもいいと思うので、そういう風に見ると割とストーリーも悪くない、、、かも。
☆☆★★★