「絶望の裁判所」

元裁判官による裁判所批評、「絶望の裁判所」を読んだ。
面白かった。
役人of役人の裁判官が、元とは言えここまで書くのかと驚いた。
読む前は、タイトルだけキャッチーなありきたりな薄い裁判所批評かと思ったら、内部から見た事務総局論やキャリアシステム、「人事がすべて」という最高裁独裁論が読みやすくまとめられていた。
特に、「最高裁事務総局の局長は最高裁長官の靴を舐められないと勤まらない」みたいな話は、すごい書き方するなぁと思った。
裁判員制度というのは、刑事系裁判官の復権をかけた単なる権力闘争の結果というのは、知らなかった。裁判官にも民事系と刑事系があるというのも知らなかった。
裁判官も単なるキャリア官僚で、他の行政官僚と同じく、自分たちの権力拡大のために汲々としているという話だった。官僚ってそんな話ばっかだな。官僚裁判官も行政官僚も権力解体しないとたぶんこのまま役人国家になるんだろうなぁ、、、と思った。
本書の最後で、改革案を提示しているが、唯一憲法身分保障され、かつ、三権分立の一翼を担う独立機関に自浄作用は働かないので、日本で一番難しい行政改革な気がする。。。最高裁判官の罷免システムもあんまり機能してないし。
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