「司法官僚―裁判所の権力者たち」

日本の裁判所を牛耳る陰の組織「最高裁判所事務総局」について書かれた本「司法官僚」を読んでみました。
可もなく不可もなくという感じでした。
悪の帝国である事務総局のエピソードというよりかは、細かい話が多く、読み物というよりかは資料という感じ。
日本の裁判官は、司法の独立という御旗のもと、最高裁判所事務総局というエリート職業裁判官(裁判をしない裁判官)が、他の裁判官を徹底的に支配しているという歪な構造という話。
その権力の源泉は人事権で、転所、報酬、任用という人事権をバックに、徹底的な司法行政を取り仕切る。最悪、10年で任用拒否という形でクビを切られたり、転所で日本全国飛ばされたり、給料を上げないという形で制裁を加えららる。
結果的に、日本の司法は、司法行政を守るための機関と化してしまい、裁判官の能力とか独立性とかは関係ない暗黒の労働ワールドができあがってしまったというお話。
司法制度改革では事務総局改革もやって欲しいですね。
☆☆☆★★