三谷幸喜作・演出の芝居「不信 ~彼女が嘘をつく理由」を観た。
イマイチだった。
役者の演技は良かった。優香さんの狂気をかいま見せる弾けた演技は見応えがあった。
それに比べてストーリーが弱い。
まず、まともな人間が誰もいないので、感情移入できるキャラクターがいない。そのため、変な人が集まっただけのストーリーになってしまっている。
まいた種は回収するというか、作中の表層的なネタは割れるのだが、なんでこんな変なやつが集まったのかという根本的な謎は一切解決しない。
みんな本当は狂気を持っている、みたいな話なのかもしれないが、やはりワトソン役や探偵役がいない話は、しんどい。消化不良。
多くの台詞があとの伏線になっているのだが、それが露骨というかわかりやすすぎて、先の読めない展開というのがなくて、面白くない。
このお芝居で一番びっくりしたのはラスト。この後、話が盛り上がると思ったらいきなり終わって「え、これで終わり!?」という驚きが最大の驚きだった。
(あと上演後、ロビーに山ちゃん(山寺宏一さん)がいたのも驚いた)
これ観て次作の「子供の事情」を観ようかどうか迷ってしまった。(チケット高いし)
あと、上演中天井からカチカチ謎の音が断続的に続いてうるさかった。スモーク炊く音だろうか。
それに合計120分しかやらないのに、60分*2幕に分ける理由もよくわからない。途中で緊張感が途切れてしまった。