「はじめてのプロジェクトマネジメント」

 読んだきっかけは、スゴ本で紹介されていて、面白そうだなって思ったから。あと本屋で見たら今年出たばっかの本だったというのもある。この手の本はなるべく新しい方がいい。

わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2005/06/post_3afb.html

 べつにプロジェクトマネジメントをしないといかんとか、そういう指向があるというわけでもない。プロジェクトマネジメントというのは「現代社会の基礎スキル」と言ってもいい一般常識なわけだし。

 この手の本を読んだことがない人や、プロジェクトマネジメントのいろはが判らないわたしのような人にとっての最大の利点は、この本を読むことでプロジェクトマネジメントとはどうあるべきかという全体像を簡単に把握できることだ。安いし薄いし。そして、もしプロジェクトに関わったことがある人なら、その体験と比べることが出来る。これが一番大きい。

 この本には、高齢者独居用セキュリティシステムというものの開発プロジェクトで起こる問題を題材にした小説パートというのがある。スゴ本さんは「下手な小説仕立ての小話がなければもっと良し。」と一刀両断だが、私自身は理解を助けるという意義は十分果たしていると思った。

 細かいところでは、「プロジェクトにおける意思決定は全員で議論し、リーダーが独断で決定する」とかは、言われてみれば確かにそうだが、その前提である「全員が議論において本音を言えるようにするには」とか、「リーダーは何を判断材料にして決定すべきか」とかは、一読に値する。

 このような細々した Tips から全体の流れまでをサラっと俯瞰できる良本ではないかと。