「巨大投資銀行」

都銀に勤めていた桂木が外資系IBへ転職し、その後30年近くにわたるバンカーとしての生活を綴った経済小説。

まず、話しの流れがバブル崩壊、公的資金注入、911と言った時代時代の節目のできごとに沿って描かれていて、社名もほとんど実名なので判りやすかった。

桂木がモルガン・スペンサーのVPからMDに上り詰め、更につぶれかけの邦銀でIB部門を立ち上げていくという過程で、いろいろな人間ドラマ、お仕事ドラマを展開していきます。

さらに、この本は、30才〜55才というスパンでのお仕事・転職物語という側面もあり、そのジョブチェンジのタイミングにおける思考過程や問題の解決方法とかは、なるほどーって感じでした。

ハードカバー二段組上下巻とボリュームたっぷりなので、もう少し短くてもいい気がしますが、僕は飽きずに読めました。
というか、期待以上に面白かった。

私の中で、桂木は探偵沢崎シリーズの「沢崎」のイメージ(=原籙のイメージ)でした。
喋り方とか性格が似てる気がする。