「リーダーを目指す人の心得」

官房長官が記者会見をするときに参考にしたと言う書籍、パウエル元国務長官の「リーダーを目指す人の心得」を読んだ。
面白かった。
平易で真摯なリーダーシップ論が具体的で面白いエピソードとともに語られていた。
アメリカの軍隊の統合参謀本部議長に上り詰めて国務長官にまでなった人間はどういうことを考え、どういう状況でどう決断したのかが、とてもわかりやすく書かれており、米国の政府機構なんてドラマ24でしか知らない私にも楽しめた。
日本でこのてのリーダーシップ本が出ると、大抵、東大出てコンサルになった人とかが、抽象的な主張と当たり障りのないつまらないエピソードを織り交ぜた本を作るのが多いけど、この本はエピソードが具体的で楽しめた。
ただ、軍の暗部をえぐるようなひどいエピソードは書かれておらず、洗練された話が多かった気がする。
大量破壊兵器の存在に関する大失敗会見についても、なぜそのような会見に至ったのかについて分析的に書かれていて、これほどの人でも失敗するんだなとは思った。
この本はIt worked for meという原題通り、彼がこうしたらうまくいったというエピソード集なのだ。