「超マクロ展望 世界経済の真実」

超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書)
水野 和夫 萱野 稔人
集英社 (2010-11-17)
売り上げランキング: 12,989

世界経済の行き詰まりを歴史的社会的視点から俯瞰する経済対談集「超マクロ展望」を読んだ。
とても面白かった。対談集なので口語調で判りやすく読めました。
今、世界が直面している経済危機は、歴史的なモメンタムであって、もう成長とかそういうことはないという話。
いまバカみたいな財政組んで、株価が上がったとか円安になって為替差益で業績アップとか言ってるのがバカみたく見える。
二年前の本だけど経済成長を前提としたデフレ脱却によるインフレターゲットがいかに無意味かが延々書かれてる。もう成長はしないのだ、と。
国債が国内で消化できなくなったときが悪夢。外国人投資家に買ってもらうため金利をあげなくてはいけない。あとはもう典型的な借金地獄。
円高になると、この資源高騰で日本の資産が吹っ飛ぶ。
財政赤字が止められないので、人民元の自由化がおきたとき、国債の引受先がなくなり、金利上昇、資本の海外移転で、日本は詰む。という話。
資本主義は、国家による税という富の集積と、市場による利潤という富の集積の二つから成り立っているという話も面白かった。
☆☆☆☆★