「赤めだか」

赤めだか
赤めだか
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立川 談春
扶桑社
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「赤めだか」を読んだ。
面白かった。伝統芸能とそれを現代に演じることの意味。立川流というと、昔「落語のピン」が好きでよく見てたのですが、一回高座を見に行きたい。ネット☆スターの司会やってる立川談笑さんも立川一門で真打ちになったのかーと考えるとちょっと見る目が変わった。
☆☆☆☆★
ところでこの本、こちらの書評をきっかけに読んでみたのですが、同じところにティンと来たので自分用に引用しておきます。

翌日、談春(ボク)は談志(イエモト)と書斎で二人きりになった。突然談志(イエモト)が、
「お前に嫉妬とは何かを教えてやる」
と云った。
「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云うんです。一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は安定する。本来ならば相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。しかし人間はなかなかそれができない。嫉妬している方が楽だからな。芸人なんぞそういう輩(やから)の固まりみたいなもんだ。だがそんなことで状況は何も変わらない。よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う」