「特別会計への道案内」

特別会計への道案内
特別会計への道案内
posted with amazlet at 09.12.05
松浦 武志
創芸出版
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政府の予算には大きく分けて一般会計と特別会計があるのですが、その特別会計についてまとめた本、「特別会計への道案内」を読んでみました。

面白かったというよりかは、読んでていやーな気分になりました。これ国家的な合法的横領じゃん。。。っていう感想しか出てこない。。。

まずテレビのニュースや新聞で予算の話が出てくるとそれは一般会計のことで、赤字国債の話も一般会計との対比でしか出てきません。でも金額的には特別会計の方がよほど多くて、例えば平成20年度予算だと、一般会計が83.1兆円、特別会計が368.4兆円。

でも特別会計については政府から情報がほっとんど出てこない。だから誰も全容を知らない。当然、政府の広報機関になってるテレビのニュースや新聞もろくな報道ができない。結果としてお役所さんの隠れ財布となっている。もちろんそのツケは全部税金。しかもそれがとんでもない額になってる。その「誰も知らないパンドラの箱」の中身を整理したのが本書。

例えば有名な道路財源。道路財源は超儲かっててムダな道路作りまくってる。でも一般会計は火の車。「母屋でお粥、離れですき焼き」by 塩爺

先日、来年度予算の事業仕分けであれだけ騒いでたけど、あれが特別会計への布石だといいなぁ。亀井さんも「本命は特別会計。特別会計に切り込めば30兆円ぐらい超余裕」(意訳)と豪語してたので密かに楽しみにしてます。

この本では他にも、道路公団は民営化(といっても株主は国100%)したら会計資料が出てこなくなったとか、国公立大学は独法化したら文科省の天下りが炸裂とか、もうどうなの!?って話が山盛りです。。。

ただ、本書は素人向けの「資料」としては☆5つだけど、読み物としてはちょっと退屈(当たり前(^^;)なので☆4つ。
☆☆☆☆★