週刊ダイヤモンドでお馴染みの山崎元による、自身のノンフィクション転職遍歴と転職のススメなエッセイ。
非常に参考になりました。と言っても、絶対マネできないし、マネしちゃだめ。こんなのはまさに東大卒のマッチョの自慢話だ、と言っても過言ではないと思う。(自戒の意味を込めて)僕なんかがこういう本を読んで浮き足立ったらハマるのは目に見えてる。
この手の本って書き手はマッチョなんだけど、こういう本を手に取る読者は決してマッチョではないところに断絶感を感じるのだが、それでも、「あなたの知らない世界」を垣間見ることができるのは、やっぱ面白い。読書の醍醐味。
特に、考え方や仕事に対する姿勢、僕がこの立場だったら、というロールプレイとしては自分の知見の幅を広げることに役立つと思うし、日本の商社や銀行、外資系の証券会社、そして山一が潰れた時は社内はこうだった的な話なんかは、単に読み物としても面白い。
また、こういったややもすると批判的になりかねない話を活字にするとき、普通は「某大手銀行A社」とか判るように会社名を伏せる事が多いのだが、ほぼすべて実会社名をバンバン出してどんな会社かを批評しているためリアリティがあり、社会勉強として役に立つ気がする。
また、著者の仕事に対する姿勢に(結果論かもしれないが)一貫したプリンシプルが通っている気がしたのも、なるほどなーと。