「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」

ジェフ・ベゾス 果てなき野望」を読んだ。
とても面白くて、分厚いのに飽きずに読めた。Amazon20年の歴史、そしてこの20年で全米12番目の大富豪になったAmazon CEOの物語。
Amazonの野望で一番凄いなあと思ったのは、20年前からベゾスのビジョンが(本の中では)ぶれないとこ、だろう。
この本では、Amazonがいかに顧客体験第一主義かをとうとうと書いてあって面白かった。1995頃からインターネットの一般利用が始まって、そこから20年近くたったが、その時から僕は何も進歩せず、Amazonはジェフベゾスがゼロからエブリシングストア目指して爆進中というの彼我にびっくり。
同じ20年をボケっと生きてきた結果たが、まあ別にいい。
冒頭のエピソード、テレビCMの効果を測定するために、テレビCMを流した地域と流さなかった地域とで売上を比較した結果、テレビCMに意味はないという結論になったからマーケ部の反対を押し切ってテレビCM止めたって、これ凄い話じゃないかと思った。
そして、本書の最後で、クールな企業(ナイキやアップル)とグリードな企業(MSやウォルマート)を比較して、どんな違いがあるのか、Amazonがクールな企業と思われるには何が必要かを検討する話。ここまでやるか、すごいなと思った。
値下げを信条とするため、メーカーからは嫌われてるらしく、アップルはAmazonに商品を卸さないらしい。(だからかいつまで経ってもiPad入荷しないんだ、、、と合点がいきました)

その他、色々面白いジェフ語録(ジェフィズム)が書いてあったのでメモ。

  • 「コミュニケーションは機能不全の印なんだ。緊密で有機的につなかる仕事ができていないから、関係者間のコミュニケーションが必要になる。部署間のコミュニケーションを増やす方法ではなく、減らす方法を探すべきだ。」
  • AWSの収益予想を尋ねられた時、ベゾスは、長期的には収益が上げられるようになるが、「スティーブジョブズの失敗」を繰り返したくないと回答した。iPhoneをびっくりするほど利益があがる価格にして、競争相手をスマートフォン市場に引き寄せた愚は避けたいというわけだ。」
  • 「出版社は、アマゾンを本当には理解していませんでした。既刊本でなにが起きているのか、まるでわかってなかったのです。バックリストと言われる昔の本がアマゾンでな表にでて、それによる売り上げがかなりあることなど、知らないところが大半でした。」
  • 「販売力を示すのは簡単だった。推奨アルゴリズムから外した出版社は、売上が40%も落ちるのが普通だったからだ。だいたい30日もすると出版社は音を上げたと、そのころのシニアブックマネージャーは言う。」

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