「ボクシング界のぶっちゃけ話」

元プロボクサーの書いたボクシング界の内幕を書いた本、「ボクシング界のぶっちゃけ話」を読んだ。
面白かった。
お金や練習、そもそもプロボクサーとはという話について、丁寧にそしてまともな感じで書かれていて、構成も上手で読みやすく、2時間ぐらいで読んでしまった。
まずボクサーのお金に関する話を書くことで興味を引きつけ、そのあとプロボクサーになった人生を振り返り、プロボクサーや世界チャンピオン、はたまたボクシングジムの経営や興行について丁寧に説明しており、オーソドックスながらも上手な構成と文章力だった。
この若干胡散臭い表紙(w からは想像できないほどまともな本です。
編集者が良かったのだろうか。
一番驚いたのが、著者の畑山さんの全体を見通す力だ。
プロボクサーらしく「俺は強い」という自信と練習も相当だが、現役時代から引退後のことを考えて不動産投資するなどの思考や行動はサッカー選手の中田みたいだ。
また、ボクシング業界のいい点悪い点を認識しつつボクシングの魅力について語り、ボクシング業界の収益構造も俯瞰しつつ、これからのボクサーのために現実的な夢を見せたいという目的で本を書くという視点も凄いと思った。
情報が氾濫するインターネット時代に、元世界チャンピオンがこういった内部事情について語ることはボクシング業界の活性化につながると思うし、私のようなまったくボクシングを観ない部外者にその魅力を伝えるには良い本だと思いました。
☆☆☆☆★