「歓喜の仔」

天童荒太の新作「歓喜の仔」を読んでみました。
イマイチでした。不幸な一家の物語なんですが、ちょっと読みづらくて、なかなか感情移入できなかったです。
本筋である、三兄妹が生きていくさまというのは悲惨な話ではあるのですが、小説としては面白いと思いました。
ただこの兄妹の話もところどころ夢うつつ語りや冗長な説明が多く、読み飛ばすことが多かったです。
また、本筋の三兄妹の話とは別に、戦場で生きる子供の話がパラレルに語られるのですが、それがよみづらく、ほとんど飛ばしてしまいました。
本筋の話に絞ってコンパクトにまとめたら、もうちょっと面白い話になった気がするのですが、上下巻大ボリュームな冗長な小説というのが、正直な感想です。
著者の傑作「永遠の仔」なんかは長いけどとても面白かっただけに、本書も期待していたのですが、そんなに面白くなかったと思います。
☆☆★★★