「あなたのマンションが廃墟になる日」

「あなたのマンションが廃墟になる日」を読んだ。
なぜ日本のマンションは30年という短い期間でスクラップ&ビルドされるのか、という疑問から、区分所有権の分譲マンションのややこしさが、立て替えや大規模修繕の事例とともに描かれていて面白かった。
マンションの建て替えを検討し始めると、賛成派と反対派に分かれてしまい、コミュニティが破壊される。そして、建て替えに反対していても憲法で保障された財産権や住む権利が侵害されてしまうという、理不尽なお話が事例とともに書かれていた。
特に、立て替えを決議すると、いったん残ローンを完済しなくてはならず、しかもマンションの所有権を仲介デベロッパーに一回引き渡さないといけないが、その引き渡した間にマンデベ(リクルートコスモス)が倒産すると悲惨、という話も理不尽だった。
じゃあどうしたらいいか、という提案部分が弱い気もするが、問題点の指摘という点では、事例とともに詳述されていた。
また、大手のマンションデベロッパーがイマイチなデベロッパーとして挙げられてるのに対して、良い立て替えをするデベロッパーとして旭化成が出て来て意外だった。
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