「コンサルティングとは何か」

堀紘一氏著の「コンサルティングとは何か」を読むなど。面白かった。DIの採用パンフレット拡大版みたいな感じだ。
主要テーマである経営コンサルティングというお仕事については他の類似本とあまり変わらない。地頭とか論理的思考とか体力勝負とか給料高いとかup or outとかよくある話。
この本の凄いところはクライアントの企業名や人名がバシバシ実名で出てくるところ。実名だと読み手側で検証できるし地続き感があって内容の面白味が全然違う。
この手の本はよく「誰もが知ってる大手電機会社のA社」みたいに名前をぼかすことが多くて、企業名がわからないと一気に話が白けてしまい、面白くなくなる。(守秘義務でしょうがないんだろうが)  その点、ダイエーとかユニ・チャームとかJALとかホンダとかの案件が(概略だけだけど)実名で紹介されててそこがいちばん面白かった。
お金の話も、給料やコンサルティングフィーの金額をさらっと具体的に書かれていて素直に読めて面白かった。こういう金額を「ウン億円」みたいにぼかさずに「2億円」とはっきり書いてくれると、多寡の判断に読書が中断されずに済む。
特にコンサルティングフィーは給料×マルチプライヤ(乗数)で、この乗数が3を切ると一流コンサルファームや弁護士事務所はペイできない、公認会計士は2.5が損益分岐点という話は具体的な数字が面白かった。
稼働率の計算についても数字がきちんと書いてあって、コンサルティングの稼働率の計算は、1日8時間×週5日×年52週=2080時間を年間労働時間とし(休暇や盆正月も働く前提)、これを分母に、プロジェクトにかかった時間分の時給を請求する。事務所運営には、名目稼働率65%、実稼働にすると80%相当で、工場で言えばフル稼働に近い状態が必要、ってのも凄いねぇ。。。
コンサルティングの結果は一枚のグラフに落とし込める、という話も興味深かった。一枚の絵(図)に落としこむという話はよく聞くけど、xyのグラフに落としこむというというのは初めて聞いた。
ただこのグラフの具体例が載ってないので、へぇ〜以上の感想が出てこない。この部分は案件の具体例をのせるべきだった。
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