東京サンシャインボーイズの「returns」

 東京サンシャインボーイズ復活公演「returns」(3/23の回)を観てきました。お芝居です。初めてのサンシャインボーイズ、そして最初で最後の新宿シアタートップスでした。(と、書いて思ったのが、トップスって前に来たことあったかな。。。忘れた。)

この公演の完全ネタバレレポです。元々、SNS向けに書いたネタバレレポだったのですが、ネットで他の方の書かれたネタバレレポ見つけて漏れ漏れも!、となってしましました。私が書いたレポもリンク先のも、チケットは取れなかったけどリアルタイムでお祭りを覗いてみたい(たぶん私がチケット取れてなかったらそう思う)という人向けです。

LYNX: 東京サンシャインボーイズ「returns」(完全ネタバレですのでくれぐれも注意)
http://kasatosandaru.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/returns-c32e-1.html

「returns」東京サンシャインボーイズ(あらすじ編) - ごめんね日常
http://d.hatena.ne.jp/peat/20090325/p1

以下、私のレポも完全にオチのオチまでネタバレしてるので、これから見に行く人や、悲願叶って映像化や再演された時のために楽しみを取っておきたい人は、絶対読んじゃダメです。
逆に、とりあえず祭りに参加したいサンシャインのファンであれば、他のネタバレレポと読み比べれば楽しみが倍増するのではないかと思われ。

話は、小学校の同窓会に集まった12人が部屋に入ってくるところから始まります。
呼び集めたのは6年3組の担任の先生(梶原善)だったのですが、なぜか先生は来ない。
場を仕切っている若い女性(吉田羊)に先生はどうしたんだと問い詰める。


先生はみんなを呼んだあとに死んだ。


女性は先生の娘だった。


ではなぜ私たちが呼ばれたんだ?
クラスにはほかにももっと目立った生徒がいたはずだ。


彼らが集められた理由、それは
彼らが異星人の侵略から地球を救う特殊能力を持ったメンバーだったからだ!!


「・・・。」


ドン引きする旧友たち。


でも先生は彼らにビデオを残しているらしい。
それを見よう。
先生が残したビデオで彼らの特殊能力が明らかになる、、、
・・・はずが、途中でビデオが終わってる!?
なんだよそれ! ふざけるな! 帰ろう!!


それを相島一之が引き止める。


先生はそんな世迷言を言う人じゃなかったはずだ、
なにか理由があるはずだ、せっかく集まったんだし、
特殊能力をみんなで思い出してみないか!、と。


相島の懸命の説得に、そんなに言うなら、、、と席に座る一同。


すると、そういえばこんなことあったよね、、、と話が始まる。


近藤芳正は物まねが上手。
阿南健治は空が飛べる。
小林隆は動物としゃべれる。
西村雅彦は瞬間移動できる。
、、、などなど、全員ひとりづつ明らかになっていく。


伊藤俊人は一週間前に交通事故で死んでしまった。
今日は奥さんの西田薫が骨を持ってきた。
そして、彼の特殊能力は不死身の男!
「おおーい」
彼は生きてる! 骨壷の中から声が聞こえる!!


最後に残った相島一之の特殊能力は、、、誰にも負けない前向きな心。


本当だ! やっぱ僕らは選ばれた人間だったんだ!!
この日のために作ったチームキャップを被りましょう!
・・・、あれ?、帽子がひとつ足りない・・・!?
おかしいぞ。


・・・、先生に呼ばれてない人が、この中にいる!?
誰だ。
疑心暗鬼になるメンバーの一人がつぶやく。


「ちんげさんの物まねって特殊能力か・・・?」


相変わらず「ちんげさん」というあだ名で呼ばれてる近藤芳正


「ふざけるな! こんな茶番はもうおしまいだ!!」


すると、彼はこの顛末の裏を明らかにする。


俺は実は刑事で、イカレタ学者が警察に地球が侵略されると訴えてきた。
調べたら俺の小学校の担任じゃないか。
全部調べたよ。
これはすべて、頭のイカレタ学者とその娘の妄想だ!
特殊能力なんて熱に浮かされたやつらのただの錯覚だ!!、と。


そして、カーテンを開ける。


「見ろ! ここは研究室じゃない! シアタートップスだ!!」


その一言で夢から覚める。宴は終わった。


彼らは楽しかった同窓会を終えて、他愛のない日常に帰っていく、、、。


泣き崩れる娘に、相島は語りかける。


「大丈夫! 大丈夫だよ!!」


というところで話は終わる。


・・・はずが(笑)、いきなりナレーション。
予告編が始まる。


実は異星人はほんとに地球侵略に来ていた!
特殊能力を発揮して異星人と戦う隊員たち!!


「この続きは、次回の公演をお楽しみに!」


じゃーん!、というオチで幕でした。
(ナレーションは山寺宏一戸田恵子

めっさ面白かったです。80分、笑いっぱなし。さすが三谷幸喜、短期間で作り上げたとは思えない珠玉のシチュエーションコメディでした。演者も勝手しったるという感じで二週間の稽古でここまで作れるのはさすがだなと思いました。

お話自体は、こういっちゃなんですが、小劇場っぽいなーと思いました。最近の三谷先生のお芝居はいろいろ重厚・豪華でそれに慣れ気味だったんですが、こういうこじんまりしたスピード群集劇も健在でした。。。

テレビの劇場中継でしか見たことがなかったサンシャインボーイズ。おー本物だーとか思いながら観てました。僕がお芝居というものにハマるきっかけとなった、「ショー・マスト・ゴー・オン(TVドラマ版)」を思い出しました。

そして、懐かしい!だけでは終わらないのもさすがだなと思いました。今回新たにサンシャインボーイズに迎えられた女優・吉田羊(よしだよう)さん。彼女の狂言回しっぷりとそれに翻弄されるサンシャインのメンバーという演出が新鮮で面白かったです。

吉田さんのブログによると、今回のチケットの抽選倍率は50倍(!)だったそう。WOWOWとかDVDでフォローしてほしいですよね。。。あと、今回出演に至った経緯にも軽く触れられてましたが中井貴一さんの縁で、だそう。彼女のブログには稽古の様子やメンバー紹介が詳しく書かれていて、サンシャインファンはかなり楽しめると思います。

なお、劇場でもらったチラシに、「今後の予定:「リア玉」2024年/シアターニュートップスにて上演」と。どこまでほんとの話かわかりませんが、それはまた別の話ですね。

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