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「Hot Pepperミラクル・ストーリー」

プロジェクトマネジメントのスゴ本。

ホットペッパー事業の立ち上げプロジェクトについて、その戦略の立案と実行を詳しくつづった本なんだけど、もうその中身がすごい良かったです。

経営戦略、事業戦略、戦略の実行、ロジカルシンキング、PM、リーダーシップ、組織論、コミュニケーション、情報共有、ITの活用と言ったキーワードに反応する人であれば、絶対読んで楽しめます。

こういった個々の構成要素をつづった本はたくさんあるんですが、この本のすごいところは、これらを社内事業部という形ではあるものの、経営戦略の立案と予算の確保という出発点から、自律的に利益を出し続けて成長し続けられるイグジットの部分まで一気通貫につづっているところです。

あと、よくその手の本に出てくる実例とか具体例って社名がぼかしてあったり架空の事例だったり断片的だったりすることがほとんどなのですが、この本はそれがない。人名も社名も可能な限りガンガン実名が出てくるのでリアリティが全然違います。

さらに、このプロジェクトの成果を私たちは駅に置いてあるホットペッパーを手に取ることで実感することができるのも面白いです。特に、いまホットペッパーを普通に使う人たちがこれを読むと、ホットペッパーの構成やらレイアウト、宣伝文句、デジカメの写真、果ては配本の仕組みにまで詰まったノウハウにいちいち衝撃を受けること請け合いです。

それでもいちばんすごいのは、ホットペッパー創刊プロジェクトのプロジェクトマネジメント部分です。一言で言うと"PM事例"ということになっちゃうんですが、実際は様々な問題と解決の繰り返しで、NHKの「プロフェッショナル」風にロジカルで人間味溢れる物語が満載で、読み物としても楽しめます。

例えば、ホットペッパーの営業目標は「1/9サイズの広告を3ヶ月連続出稿」なのですが、こういった戦略を実行するにはシンプルで数値化したキーワードを徹底的に浸透させることが必要で、そしてそのためには、なぜこの数字なのかをきちんとロジカルに理解して納得してもらうという、これだけ聞くと「そんなの当たり前じゃん」みたいな感じなのですが、それを数百、数千というプロジェクトの全てのメンバーの"腹に落とす"過程がこの本の白眉です。

☆☆☆☆☆