「ルポ 貧困大国アメリカ」

人口3億人の米国では、何億ドルもの年俸をもらう富裕層がいる反面、明日のご飯にも困る貧困層が3千万人いる。格差社会が広がって、固定化された貧困層はそこから抜け出せないという現場のルポルタージュ。

東京マッチョでおなじみのdan kogaiの書評に惹かれて読んでみましたが、読みやすくてなかなかためになりました。

内容的には、大きく、食料、医療、戦争という話に分かれていて、まず食料については『貧困が生み出す肥満国民』というお話。

これは、貧困層は安くて高カロリーで栄養がない食べ物しか食べられないから肥満になるという話で、私自身、減量時のカロリー計算にハマったクチなので、妙に納得。あと「マカロニ&チーズ」なんて食べ物、初めて知った。なにこのテラアメリカンな食べ物(w

そして、医療については『一度の病気で貧困層に転落する人々』という話で、米国の医療費と医療保険制度はハンパじゃなく高額なので、病気や出産で簡単に破産できるのだ。そして、日本の健康保険は(色々問題はあるものの)なかなかいい制度だということを再認識した。

最後に、戦争については『世界中のワーキングプアが支える"民営化された戦争"』という話で、貧困層は他に職がないので、サラリーマンとして戦争に参加させられているという現実。

ついでに、教育もビジネス化されて、貧困層向けの教育現場がボロボロになってしまい、それも貧困層の固定化に役立っているという話で、<これはひどい>タグをつけたくなる話ばっか。

この本は米国の競争マンセー主義に対してかなり批判的なので、これを読んで「右翼、乙。」とかいうのは簡単だが、日本の「民営化」も一歩誤るとこうなるんだ、っていうかもうなりかけてね?、と疑問を持つことに役に立つと思う。
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