「青い蜃気楼―小説エンロン」

超巨大エネルギー企業エンロンと、その監査企業アンダーセンがある日突然消滅した「エンロン事件」をテーマにしたノンフィクション系経済小説。

面白かった。印象的なのは、登場人物達のすごいアグレッシブさとテキトーさ。サブプライムもこんな感じで起こったんだろうなぁと想像できる、自信満々なテキトーさに溢れている。あと、とにかく動く金の量がハンパじゃなく日系企業とは比較にならない。

こういったノンフィクション系の小説は、時間が経ってから読むとどうやって今につながっているかの見方が変わるので、いつ読んでも面白いと思いました。

この事件を起点にして、SOX法ができ、日本にJ-SOX法というダサい名前で輸入され、日本のIT・監査法人業界では内部統制ブームが起きているが、当のアメリカでは上場企業にとってSOX法の負担がキツすぎて揺り戻しが起こっている。(←いまここ)

という、新しい監査関連の制度趣旨が楽しく理解できる良書だと思いました。

ところでこの本は、長らく、僕が旅行に出かけるときにバックパックに放り込む文庫本でした。なので、読み始めたのはもう何年前か判りませんが、やっと読み終わりました。次は何にしよう(^^;。