「ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル」

 読んだきっかけは、MECE とか So What?/Why So? と言ったキーワードの意味を知りたかったから。それらのキーワードの意味はなんとなく解った気がする。要するに、MECE は「漏れなく重複なく情報を揃える」ための、そして So What?/Why So? というのは話が飛躍しないようにする=「話を論理的につなぐ」ための思考方法だ。

 ただ、いちばんためになったのは、これらの本論に入る前の序章とも言える、第一章の「相手に伝えると言うこと」にあった"相手にどう反応して欲しいかを考えてから話し始めろ"というところ。

 つまり、いかに論理的に説得を試みようとしても、そもそも相手の立場になって論理を組み立てないと意味がないという、当たり前と言えば当たり前の話だ。

 例えば、お客さんと話をしていて、「それはそっちの都合でしょ」みたいな言葉が出てきたら、それはもう説得失敗と思った方がいい。みたいなことだ。じゃあそこに陥らないようにするにはどうやって論理を組み立てて言ったらいいのか。という Tips が詰まっている。

 難を言えば、この本に載ってる例題に解答がないのがイライラするが、内容自体は非常に解りやすかった。本の性格から言ってあたりまえだけど(苦笑)。

 なお、他の方のレビューにあった「しかし、あまり論理的になりすぎて、感情論を片っ端から排除すると、間違いなく嫌われ者になるので要注意。」というのは至言。