「四日間の奇蹟」

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)
浅倉 卓弥
宝島社
売り上げランキング: 69,990

 障碍のある女の子と、それを世話する元ピアニストの男と、その男に想いを寄せるとても明るい女性が遭遇する不思議なできごとを綴った話。

 茶木則雄の絶賛解説に惹かれて買ったんだが、それほどでもなかった。少なくとも感涙に咽び通すこともなかったし、どちらかというとネタがかぶってる「ある人気作家の先行作品」の方が面白かった気がする。

 決してつまらないというわけではないのだが、人に勧めたいほど面白いとは思わなかった。一番気になったのが、矢鱈長いというところ。話が長い本というのは嫌いじゃないんだが、これはムダに長い気がしてならない。話の中身が薄く、ドラマティックな展開も、感動的なエピソードも、びっくりするようなオチもない。予想通りの展開と予想通りのオチ。というかオチと言うほど落ちない。フツーに終わる。

 ただ文章は上手だし、最後まで読めたので、「セカチュー」(小説)とかが面白いと思えるひとなら、楽しめるかも知れない(僕は、「セカチュー」(小説)は全然ダメだった)。でも、このミス大賞とか短期での文庫化とかいうのと相俟って、かなり売れてるみたいだ。うーん。。。